*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!

 彼が語る言葉に黙って耳を傾ける。

 腕の中に閉じ込められたままだから、今彼がどんな表情をしているかは分からない。けど、きっと少し辛そうに眉を顰めている気がする。
 
 「でも、杏奈と出会って知ったんだ。他のやつの目になんか触れさせたくない、そんな独占欲むき出しの情けない自分に……。杏奈のことになると冷静じゃいられなくて、君が側にいないと落ち着かない。杏奈が俺の側から居なくなってしまうようなことがあったら、絶対に阻止する―――どんな手を使ってでも。」

 「しゅう…へい、さん」

 「こんな俺のことは嫌い?俺は杏奈が思うような王子様みたいなやつじゃないよ。」

 苦いものを噛んだような声に、彼の胸に額を付けたまま必死に頭を振る。
 そんな私の様子に、フッと息を吐くように微かに笑った修平さんは言葉を続けた。

 「良かった……。でも、杏奈に不安を抱かせたのは俺があんまり自分のことを話さなかったせいだな。杏奈が何も聞かないことに俺は甘えてしまってたんだ。」

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