*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
「俺が働いている会社は『TAKI建設』ということは杏奈は知ってるよね?」
問われるままに、私は小さく頷く。
「『TAKI建設』の社長は瀧沢宗一郎といって、俺の伯父なんだ。」
修平さんが『TAKI建設』の御曹司かもしれないことは、前以て知っていたけれど、やっぱり本人から直接聞くと全然違っていて、その証拠に私の心臓は幾分スピードを上げる。
「伯父夫婦には子どもが居なくてね。伯父には将来的に俺に跡を継いでほしいと言われてるんだ。」
「本来なら伯父の弟である俺の父が副社長の椅子に座るはずだったんだけど、親父ときたら数年前にオーストラリア支社長として赴任してから現地がすっかり気に入って、二年後に迎える定年後にはこのままのオーストラリアに永住する気でいるらしい。」
「そんなわけで、俺は遅からず副社長に就任することになると思う。」
初めて聞く瀧沢家のお家事情に、私はただ驚くばかりで相槌を打つことも出来ない。
「俺の小さい頃から祖父や父たちの仕事を間近で見ているうちに建築に興味を持ったし、最初から二人を助けたくて『TAKI建設』に入社したんだ。」
彼の話に、これまで抱いてきた疑問が腑に落ちるのを感じる。
(きっと修平さんが住んでいるお家は、先代社長のお祖父さまがお祖母さまと住んでいたんだわ…)
あんな高級住宅街にある大きな家を持っているからには、きっと立派なお家柄なのだろうとは思っていたけれど、実際に本人から話を聞くと納得できることばかりだ。