*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
美味しい食事と弾む会話が続き、幸せな気持ちに浸っていると、フッとある疑問が沸き起こった。
「修平さんはここに来たことあるの?」
この旅館に着いた時から、館内を歩く彼の足取りに迷いはない。周辺の街並みや浜辺のことも知っている雰囲気だった。
(ドックカフェも行ったことがある雰囲気だったし……)
もやもやとお腹の底に黒い影が溜まり始める気がする。
「うん、前に一度ね。」
彼の返事に、もやもやが濃くなり胃の辺りがずんっと重く感じた。
あからさまに曇った私の表情に、修平さんは目を細め、微笑みながらこう言った。
「ばあちゃんとアンジュと来たんだ。」
「ほぇっ?」
「アンジュを飼い始めてから、ドックカフェやペットと利用できる場所を調べて、ばあちゃんが自分では行けないような場所は俺が一緒に行ったんだ。」
「そ、そうなの?」
「うん。でもこの旅館に泊まるのは今回が初めて。ばあちゃんとはランチと日帰り入浴だけで、他のところに泊まったから。」
「そうなんだ……」
ホッと胸を撫で下ろす。黒いもやが晴れ、お腹の中が軽くなった私は、目の前で焼かれている岩盤焼きのお肉を口に入れた。
「やいた?」
「ん?やけへふよ?」
大きなお肉を頬張ったから、もごもごした声で返事をする。
(お肉、柔らか~~!)
肉汁が溢れて溶けるみたいになくなっていくお肉を味わっていると、修平さんがクスッと笑った。
「違うよ、『やきもち妬いた?』って聞いたんだ。」
「や、やき…ごほっ、ごほごほっ」
飲みこみかけた肉が喉に詰まりかけて、慌てて咳き込む。
近くにあったグラスを手に取って、一気に喉に流し込んだ。
「~~っ!ビール~~!」
一気に減ったグラスの中身はビールで、アルコールにあまり強くない私の顔は一気に赤くなった。