*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
抱きしめられて泣きじゃくる私の背中を、修ちゃんの手が優しく撫でる。ぐずぐずと中々泣き止めない私に、時々トントンとあやすように軽く叩きながら。
次第に泣き声が落ち着き、すんすんと鼻を啜り始めた頃、修ちゃんが言う。
「俺からの誕生日プレゼント気に入ってくれた?」
真綿で大事にくるまれるような、そんな錯覚を起こしそうなほどの柔らかなテナーボイスに、こくこくと勢いよく何度も頭を縦に動かす。
「良かった。杏奈が喜んでくれるのが一番嬉しい。」
その言葉に、ゆっくりと顔を上げる。号泣した私の今の顔はきっとひどいものだろうけど、どんなにひどい顔を晒しても、きちんと彼の目を見て言いたかった。
「ありがとう。こんな素敵な誕生日プレゼント、きっと一生忘れないよ。」
「ふふっ、これからだってずっと杏奈の誕生日を祝うから。」
「これから、ずっと……」
「そう。」
短くそう言った彼の瞳が、それまでの柔らかいものから、真剣な硬いものへ変わる。
一緒に暮らしている時にはあまり見られない、何かを狙う鷹のように底光りする瞳の奥に射すくめられた。