*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
重ね合わせた唇を名残惜しそうに離した修平さんは、「じゃあ、連絡してくる。」と言って携帯を片手に部屋から出ていった。
そして、数分後部屋に戻ってきてからというもの、私が驚いて何も言えなくなるくらい、私の世話をかいがいしく焼き始めた。
手始めに、ベッドに座ったままの私を“お姫様抱っこ”でバスルームに連れて行き、あれよあれよと抵抗する間もなく私の着ていたものを剥ぎ取ってから、また抱え直してバスルームの中へ入り、服を着たままの自分が濡れるのも構わずに私にシャワーをかけ、湯船に運んだ。
その一連の流れは、私に完全なる羞恥心や抵抗心を覚えさせる間もないくらい迅速だった。
私はただ、「えっ?」「ちょっと!」「わっ!」と短い言葉を出すのがやっとで、気付いたら湯船の中に浸けられている状態だった。
その状態になってやっと、「なんてこと!?」と思ったのだけど、その時にはもう既に彼は浴室から出るところで、「温まったら頃に迎えにくるから」と言って風のように去って行ったのだ。
湯船で体が温まると、強張っていた筋肉がほぐれて来たのか、それまで力の入らなかった足腰も少しは動くようになってきて、彼が戻ってきて私のことを湯船から引き上げる前にと、半ば這うようにして浴室から出て体を拭いた。
するとちょうど私の新しい着替えを持って戻ってきた彼がパウダールームに入ってきて、思わず「きゃあっ」と悲鳴を上げてバスタタオルで体を隠したのだけど、そんな私の羞恥心なんて気にならないといった平然とした態度で、
「自分で上がったの?大丈夫だった?呼び出し音で呼んでくれたらすぐに来たのに」
と言いながら、私の髪をフェイスタオルでゴシゴシと拭く。
「大丈夫だから」と彼の世話を断ると、「じゃあ身支度が済んだらまた来るね」と言ってリビングの方に戻って行った。
新しい服に着替えて、来客に備えて軽く化粧をしていると、修平さんが戻ってきてドライヤーで髪を乾かしてくれる。
そして身支度を整え終えた私を、またさっきみたいに“お姫様抱っこ”で抱えてリビングに連れて行き、ソファーに下ろすと、「ちょっと待ってて。」と言ってキッチンに向かった。
すぐに戻ってきた彼はトレーを持っていて、そこには私の好きなアイスと温かい紅茶だ乗っていた。
「ありがとう。」
トレーごとそれを受け取ると、
「紅茶にはハチミツを入れておいたよ。喉に良いから。」
と言った修平さんが少し眉を下げて微笑むから、電話が鳴る直前の私たちのことを思い出した。