*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
ハッと目が覚めた。
ぐっしょりと汗で濡れた額に髪が張り付いて気持ちが悪い。
パジャマもしっとりと湿っていて全身に汗をかいていることが分かる。
「夢…」
ハァっと大きな息を吐いてから、時計に目を遣ると針は七時前を指していた。
隣を見ると、ベッドにはもう修平さんの姿は無くて、私だけが寝ていたことを知る。
(昨日、あのまま寝ちゃったんだ…)
迎えの車の中で、ぼんやりと考え事をしていたところまでは思い出せるけれど、それ以降の記憶が全くない。
(また修平さんに運んでもらっちゃった…)
もう既に寝落ちの常習犯になっている私は、今回もまた彼の手を煩わせてしまったことに、自己嫌悪を感じる。
(ただでさえ地味で取り柄も無いのに甘えっぱなしで、このままだと愛想尽かされちゃうかも…)
窓から差しこむ朝陽の明るさとは正反対の、暗くじめじめとした気持ちに捕らわれる。
「こんなんじゃ、ダメ。」
思わず口に出して、自分に言い聞かせた時、部屋の扉がそっと空いた。
「起きてたんだね。」
扉から顔を出した修平さんが、私の方へと近付いて来る。
ベッドの縁まで来た彼は、そっと私の額に手を当てた。
「う~ん、ちょっと熱っぽいかな。」
私の額が汗で濡れていることなんてまったく気にしてない様子の彼は、私の濡れて頬に張り付いた髪を、指先でそっと耳に掛ける。
「体が辛くなければ、シャワー浴びておいで。それから熱を測ろう。」
私の髪を撫でながらそう言った修平さんの顔に『心配だ』と書いてある。
「うん…シャワーしてくるね。」
ゆっくりとベッドから立ち上がると、足元が少しフワフワとしたけれど、私がよろけようものなら、また前みたいにお風呂まで運ばれて、好き勝手に体中を洗われそうな予感がしたので、意地でもよろけまいと注意深く一歩一歩を踏み出した。