*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
遅番の就業時刻、二十時三十分を十五分ほど過ぎた今、私は急いで図書館の職員通路を小走りで通り、職員用出入り口の扉を押して、外に飛び出た。
「おまたせっ、修平さん。お待たせしてごめんなさいっ!」
車から降りてきた彼のところに慌てて駆け寄ったその時、彼に辿り着く三歩手前で、つま先が何かに引っ掛かった。
「きゃあっ!」
足を取られてよろめく。その私の肩を、修平さんがすかさずキャッチした。
「おっと、危ない。…慌てなくて良いっていつも言ってるでしょ?そんなんだと、また階段から落ちるよ、杏奈。」
同じようなことを言われた前回は「落ちないよっ」と否定したけれど、今回は自分の行い故に、それを否定出来ずに、ぐっと言葉が詰まった。
「くくっ、そそっかしいところも可愛いけど、俺のいないところでは気を付けるようにね。いつも助けてあげられるわけじゃないんだから。」
そう言って、私の肩に置いた手を背中に回した修平さんは、ギュッと私の体を抱き締めた。
ここが職場の目の前であることを思い出した私は、慌てて彼の胸を押し返す。
「修平さんっ!」
「お疲れ様、杏奈。」
彼は私の頭のてっぺんに唇を寄せた後、そっと腕を解いて、私を助手席に誘導した。