クールな御曹司の甘すぎる独占愛
「違うよ。彼氏じゃない。言ったでしょう? 私は結婚なんてまだまだ先の話だって」
《えー? 本当に? だって昨日の彼の様子は、恋人にしか見えなかったんだけど。奈々をさり気なくエスコートしたりとか》
「そ、それは……海外にずっといたから、女性にはそうするのが普通なんだと思う」
はっきり好きだと言われたが、水瀬はきっと女性なら誰に対しても優しく接する。あの扱いは奈々に限った話ではないだろう。もしかしたら、キスも挨拶の一環かもしれない。
そんなふうに考え始め、昨夜からの奈々はずっとドツボにはまり通しだ。
それもこれも自分に自信がないからにほかならない。水瀬には不釣り合いだと。そのくせ、気づけば水瀬のことを考えている自分にハッとするばかり。
《ほんとになにもない?》
「な、ないってば」
《怪しいなー。奈々はうそが吐けない性格だから私にはわかるんだよ》
高校時代からの奈々を知っている真弓は、さすがに手強い。高校二年生のときにも、奈々が密かに片想いをしていたクラスメイトを言い当てた過去がある。
《奈々ちゃーん? 正直に言ってごらーん?》