クールな御曹司の甘すぎる独占愛
「無理に笑わなくてもいいよ。そんないじらしいことをされると、かえって逆効果」
水瀬は隙を突いたように、奈々に軽く唇を重ねた。
不意打ちのキスに奈々が戸惑っていると、「かわいくてたまらない」と水瀬がもう一度引き寄せる。
「今夜は思いがけず奈々の気持ちを聞けてうれしかったよ。本音を言えば心だけじゃなくすべてがほしかったけど、それは次の楽しみにとっておこう」
水瀬のストレートな言葉が奈々の心拍をぐんと跳ね上げる。うっかりそのシーンを思い浮かべて、奈々は耳まで赤くなった。
「……水瀬さん、大好きです」
伝えても伝えても、“好き”が言い足りない。その言葉は大きな渦のように、次から次へと奈々を巻き込んでいく。昨日よりも今日。一時間前よりも今。現在進行形の想いに苦しさすら感じる。
「奈々、本当に嬉しいよ。俺も大好きだ」
水瀬は何度もそう言っては、奈々を強く抱きしめた。