クールな御曹司の甘すぎる独占愛

鉄板焼きのレストランをあとにし、水瀬に肩を抱かれて奈々がやってきたのは高層階のゲストルームだった。リビングスペースには大きな窓があり、そこからベイブリッジや観覧車が一望できる。


「わぁ、綺麗……」


奈々は思わず窓に近づき、眼下に広がる揺らめく夜景に見惚れた。
ミラージュ横浜と同クラスの高級ホテルに出店しているが、豪華な客室に足を踏み入れた経験は一度もない。

いつまでも窓にへばりつくようにしている奈々を水瀬が後ろから抱きすくめる。


「ここから仕事は忘れて、俺だけを考えて」


水瀬に甘く囁かれ、心がふわっと浮き上がる。だが、そう言われるよりずっと早く、奈々は水瀬で頭がいっぱいだ。

身体を反転させられた奈々は、すぐに唇に水瀬を感じた。優しいキスも束の間。水瀬の舌が歯列を割って奈々の口内に侵入し、荒々しく暴れる。これまでになく性急なキスが、奈々の背筋に甘い痺れを走らせた。

窓に背中を押し当てられ、息もつけない口づけが奈々の心も身体も高揚させていく。スーツのジャケットを脱がされ、水瀬に抱き上げられて身体が宙に浮いた。

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