クールな御曹司の甘すぎる独占愛

宮内は肩を揺らしてククッと笑った。

宮内によると、その懇親会はここエステラで開催されるらしく、当日の午後三時までに鳳凰の間に届けてほしいと言う。和菓子の組み合わせはこちらのお任せでいいと言ってもらえた。同じホテル内であれば配送コストもかからず、光風堂には願ったり。

宮内はなにか変更があったときのためにと、奈々のスマホのナンバーを聞いてから「よろしく」と言って店をあとにした。

それにしても五百箱分、和菓子二千個ともなると相当な量になる。勢いで引き受けたが、大丈夫だろうかと今になって不安になってきた。
奈々は早速厨房にいる清人に特注が入ったと相談。


「夜が明ける前からふたりで作り始めれば大丈夫でしょう。せっかく入った大きな仕事ですから頑張りましょう」


清人の頼もしさに助けられた。

奈々ひとりで作るわけではない。清人もいるのだから。なにより橋渡しをしてくれた依子の顔を潰すわけにはいかない。


「ありがとうございます、清人さん」


奈々は決意も新たにしたのだった。

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