クールな御曹司の甘すぎる独占愛
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《キョウタニ様とおっしゃるお客様がお見えです》
受付から晶のデスクにある電話に内線が入ったのは、退勤時間の午後五時半を回ったばかりのことだった。
キョウタニ? まさかミヤビが?
ミヤビと光風堂で偶然再会したのは五日前。しばらく日本にいるとは言っていたが、もうとっくにアメリカへ帰ったものだと晶は思っていた。会社の場所は調べればすぐにわかるだろうが、ここまで押しかけてくるとは思わなかった。
晶が受付のある二十二階まで下りると、エレベーターの扉が開いた途端、サングラスにつば広帽子を被ったミヤビが晶の胸に飛び込んできた。
「晶、会いたかった」
サングラスを少しだけずらし、ミヤビがそこから目を覗かせる。
「こんな場所まで、いったいなにをしに来たんだ」
「そんな冷たいことを言わないでよ。晶に会いたいからに決まってるじゃない」
ミヤビは甘えた声で晶の手に指を絡ませた。