クールな御曹司の甘すぎる独占愛
小田高弘議員の秘書である宮内は、花いかだにとって大切なお客。足げにできなくて当然だ。
「私にどんな用事があるんでしょうか……」
晶との関係性を知っているため、つい不安になる。
《それがよくわからないの。ちょっと話をしたいってね。ごめんなさいね、無理を言って。こんなことを頼んだら水瀬さんに叱られちゃうわね》
依子も背に腹は変えられないだろう。
ここで奈々が断ったら、依子に迷惑がかかる。花いかだは光風堂にとっては大切なお客様。相手が宮内であっても行かないわけにはいかない。
「わかりました。これからすぐに向かいます」
奈々はそう言って依子との電話を切り、急いでタクシーに乗り込んだ。