クールな御曹司の甘すぎる独占愛
ミヤビが片方の眉毛を器用に吊り上げる。相当不満そうだ。
晶がうなずくと、ミヤビは「それなら」と続ける。
「友人として一緒に食事をしましょ」
「まだ仕事が残ってる」
「ここで待ってるから。私は友人なんでしょう? 晶は友人にも冷たい態度を取るの? 違うでしょう?」
堂々巡りの言い合いに、晶は困り果てる。さっきよりも深く長いため息が口から漏れた。
「晶がひどいことを言うなら、今ここで大きな声を出しちゃうんだから。ミヤビ・キョウタニがここにいると知られたら、晶も大変なんじゃない? なんなら、晶に無理やりキスされたって騒いじゃうんだから」
ミヤビが脅迫めいたことまで言い始めた。
どこまで俺を困らせるつもりなんだ。
厄介な相手に気に入られたものだ。こんなことになるとわかっていれば、コンサルをしていたエージェンシーであるキングスレー・パートナーズの社長の誘いには乗らなかったのに。
今頃、晶を後悔が襲う。