クールな御曹司の甘すぎる独占愛
奈々にとって、それは意外だった。宮内が大学時代の友人ならば、晶の女性関係も詳しいだろう。モテていたに違いない晶に彼女がいなかったとは考えられない。
「晶さん、お付き合いしている人はいなかったんですか?」
奈々が身を乗り出すと、宮内は目の奥をかすかに光らせたように見えた。宮内にしてみたら、奈々は釣り糸を垂らしてかかった魚といったところか。
「知りたい?」
リールを巻くように奈々を引き上げる。宮内はニヤつきながらテーブルに両肘を突いて手を組んだ。
宮内に屈するようで悔しいが、昔の晶を知りたい。奈々が知っているのは、ここ二ヶ月の彼だけ。もっと晶を知りたい。
それはミヤビが現れたせいもあるだろう。彼女は奈々よりも晶を知っているだろうから。晶の優しさによって不安は消えたが、過去を知っているミヤビにどうしても嫉妬してしまう。
「はい。教えてください」
奈々は素直にうなずいた。