クールな御曹司の甘すぎる独占愛

彼女の宿泊するホテルにこれから向かうと告げ、晶は車を走らせた。

ミヤビがどんな手段を使おうが自分の気持ちが彼女に向かうことはないと、とことん話をする以外にないだろう。


ホテルの裏口に到着すると、ミヤビは帽子を目深に被り、顔のほとんどを覆い隠すほどのマスク姿で出てきた。


「晶から連絡をくれて嬉しい」


ミヤビは助手席に乗るや否や、晶の腕に絡みついた。
晶はそれをさり気なく外し、車を再び発進させる。人目につかない場所で話をしたかった。


「私に話ってなぁに? きっといい話よね?」


ミヤビはうれしさを隠しきれない様子だ。


「車を止めてから話そう」
「うん、わかった」


珍しくミヤビが素直に聞き入れるのは、喜ばしい話が待っているからだと思っているせいだろう。おとなしくなった隣のシートからは、ウキウキと弾む空気が漂ってきた。

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