クールな御曹司の甘すぎる独占愛

頬を膨らませ、ミヤビは晶を軽く睨んだ。ただ、そこには事故に遭う直前の刺々しさはない。微笑すら浮かべているように見える。


「心配してたよ」
「うそばっかり」
「本当だよ」


晶が宥めるように優しく言う。
軽傷だからまだよかったが、顔に傷を負っていたらただごとでは済まなかったはずだ。


「エージェンシーの人たちに怒られちゃった。撮影に穴を開けるとはなにごとだって。アメリカに帰ったら、共演者の人たちに平謝りだわ」


ミヤビは不満そうに唇を尖らせた。ヒロインといえど、そのあたりは甘くはないらしい。


「ネットで書かれていることは大丈夫だったのか?」
「……あぁ、晶がここに通ってるって? それならぜんぜんへっちゃらよ。アメリカじゃ、女優は奔放な恋愛遍歴があったほうがいいの」


ミヤビによれば、それがかえって次の仕事に繋がると言う。日本とは事情が違うようだ。


「もういいよ、晶」


ミヤビはベッドに座り直し、晶に身体を向けた。

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