クールな御曹司の甘すぎる独占愛
「そうでしたわね。宮内さんもありがとうございました」
「おまけのお礼をどうも」
宮内の受け答えが、その場のムードをより和やかにさせる。明美はクスクスと笑っていた。
「依子さん、毎日お忙しいんじゃないですか?」
葉山店がオープンしてからは都内との往復の毎日。しかもどちらも繁盛店だから、気苦労もあるだろう。
奈々の質問に依子は穏やかに微笑む。
「オーベルジュは長年の夢だったの。それも海のそばっていうのがね。やっとそれが叶ったんですもの、頑張らないわけにはいかないでしょ?」
「そうだったんですね」
奈々は、何歳になっても夢を持ち続ける依子を眩しく思いながら見つめた。
「それより、ABPを読んだわ。あの雑誌の取材を受けるなんてすごいわよね、奈々さん」
「ありがとうございます。顔写真も載ったので恥ずかしいのですが……」