クールな御曹司の甘すぎる独占愛
「ごめん。柳からだったよ」
しばらくして水瀬がテーブルに戻る。
柳の名前が出たおかげか、どことなく緊張感に包まれていた奈々の肩から力が抜けた。
「柳さん、どうかされたんですか?」
「仕事のちょっとした確認」
「まだお仕事中なんですか?」
「らしい」
もしかしたら水瀬も仕事が残っていたのではないか。そんな不安が奈々の頭をよぎる。
「俺はきちんと終わらせてここへ来たから心配いらないよ」
「えっ?」
「今、俺は大丈夫なのかなって考えなかった?」
水瀬がいたずらっぽく笑う。
まさにそのとおりだが、どうしてわかったのだろう。奈々は、鋭すぎる水瀬を激しくまばたきを繰り返した目で見つめる。
「……コンサルタントって会社の内情だけじゃなく、人の頭や心の中も読めちゃうんですね」
そうだとしたら、水瀬の前では気をつけなければ。油断すると、読まれたくない心まで水瀬に伝わってしまう。