Rouge




「あいてない。……やっぱり怒ってるって事でいいわ」

『っ……紅花?!』

クレハ?

………ああ、私の名前か。

つまらない方の。

自分の名前にそんな事を思うなんてどうかしてる。

やはり危険でむやみに近づいてはいけない男であったのだセツは。

そう思ってしまう程に何とか再構築していた今までの私の崩壊だ。

コツコツと間隔短くヒールを響かせ、いつの間にかな夕闇の下を悔しながらも探してしまう。

本当に嫌いだあんな男。

気まぐれで気分屋で自分勝手で強引で……。

だいたいゲームはどうした!?

鬼ごっこはどうした!?

こんなにも私は身を曝けて飛び回っているのに捕まえにくる気配も姿もまるでないとか。

どこまで人をおちょくるのだと腹が立つ。

そんな憤りのまま感情的に歩く程ズキズキとかかとの痛みが増して。

全部全部……セツのせいだ!!

鬼ごっこの立場逆転。

追いかけられている筈がいつの間にか姿を見せない鬼を探し始めている。

いつの間にか夕食時を迎えた街並みは人で溢れて賑わっているというのに、こんなに人に溢れているのに探している一人の姿が見当たらないなんて。

ああ、もう……狂ってる。

煙草への依存、

酒への依存、

それに並ぶ依存の感覚に……。

セツの血に飢える……。




血の匂いに…、

刺激に誘われる。




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