虫も殺さないような総長に溺愛されています




ああ、見た目愛くるしいけど力と感触はやっぱり男の子と感じる片鱗があるな。

そんな事を思えど男として意識が疼くでもなく、とにかく可愛いとこちらも遠慮なしに引っ付いていたわけだけども。

「ははっ、花さんはイチカとも仲良しなんだね」

「だって、イチカ君可愛いんだもんっ」

「ウフフ、花ちゃんも可愛いよぉ」

お互いに『可愛い』と言い合ってじゃれ合っていれば、そんな光景に和やかに介入してくるタロ君がいて。

かけられた言葉に肯定を示す様にキャッキャッとじゃれ合いを続けていれば、絶えず微笑んで見つめていたタロ君の口から……ポツリ。

「………僕も頭にリボンでも付けたら、花さんが『可愛い』って抱きしめてくれるのかな?」

「ふへっ!?」

「なーんて、フフッ、変な事言っちゃったね」

っ……その照れくさそうに頭抑えながらはにかみの言い訳やめて!

物凄くキュンとしたよっ!?

「っ…タロ君は充分にその存在感が可愛いからっ!」

「いや、可愛いのは花さんだから」

「ううっ、タロ君好きだよぉ」

「うん、僕も花さん好きだよ」

「僕はタロの存在感が恐いって身震いしたよ……」

「イチカ悪い事言わない。さっさと花から離れて戻って来い」

いつの間にか好意を向ける相手がタロ君に成り代わり、さすがにイチカ君相手の様に抱きついたりは出来ないからシャツを摘まんで『好き』だと示した。

そんな中で何故かイチカ君はヒクついた笑みで意味不明な事を呟き、そんなイチカ君をヒクついたカナイ君が招き寄せている現状。



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