虫も殺さないような総長に溺愛されています
私からすればよっぽどこの3人の方が仲が良いと思うんだけどな。
どうやら幼馴染という間柄であるらしい3人は自然と阿吽の呼吸をみせてくるほど。
まあ、幼稚園からの付き合いだっていうんだから、付け焼き刃に私がいきなりその高みまでは到達出来ないだろうけどさ。
「あ、ねえねえイチカくん、タロくんが総長だって言ってるんだけど」
「ん?ああ、【らしい】ね」
「【らしい】んだ。そんなイチカ君ももしかしてそんな肩書きある【らしい】んじゃない?」
「うん、僕ね特攻隊長らしいよ〜。はは、カッコよくない?こーんな美少女なのに特攻隊長」
ああ、もはや最早【らしい】にも驚かなくなった自分がいるよ。
総長、副総長とくれば特攻隊長くるのは予想できたし、幼馴染でこうして屯っている仲なら当然にその関係性も繋がりあると確信的に思っていたし。
だから冷静に確認し、答えを得た今も動揺なんて物はまるでない。
『そっか〜』なんてサラッと受け入れると、隣りでチュッパの包装に苦しめられているタロ君に気がつき、その手から抜き取るとなんて事なく開封してあげた。