虫も殺さないような総長に溺愛されています



一瞬だ。何かスイッチが入ったように、3人の双眸を一瞬で染め上げたのはどこまでも鋭い攻撃色だと思う。

「花ちゃん、怪我してる」

私の頬はそんなに殴られた痕が鮮明なんだろうか?

普段はひたすらに元気な笑顔を張り付けているイチカ君が、愛らしい声音を響かせているイチカ君がだ、今は綺麗な顔に冷徹なる鋭さを纏って低い声を響かせた。

「イチカ、遠慮なく遊んでいいよ」

そんな許可の様な一言を落したのはタロ君で、その言葉が終わり切るより早くこちらに突っ込んできていたイチカ君は恐ろしい程俊敏だ。

当然卑怯なこいつらは向かってくるイチカ君に私を人質として見せつける様に盾にしてくる。

そうして優位だと嘲笑っていた姿すらも一瞬だ。

再びヒュウンッと音を立て飛んできた花火には脅しも何もあったもんじゃない。

援護の様に飛んできた花火の元はタロ君とカナイ君かららしい。

飛んできた花火には焦りながら避けた男も、そんな間に距離を詰めていたイチカ君には警戒が追い付かなかったらしく。

「花ちゃんに触ってんじゃねえぞ、」

美人さんが切れると迫力がありすぎるな。

そんな感想を抱いてしまうイチカ君のキレっぷりはこいつら全員の威圧の何百倍だろう。

身の軽い猫の様に動き回るのに、入る蹴りは相当鋭く重いものであるらしい。

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