国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
それから数日。

ミリアンはレイの監視下に置かれ、ラタニア王国からその身を守護される身となった。庶民でありながら上質な衣服と十分な食料を与えられ、その身分にそぐわない待遇にミリアンは居心地の悪さを感じてならなかった。侍女たちには「国王陛下からのご寵愛」と笑顔で言われて思うような話もできなかった。
同じような毎日を繰り返し、日も暮れると気温も下がってくる。ミリアンは早々に夕食を終えていつものように窓の外を眺めていた。

(これじゃ、監禁されているようなものね……)

さすがに部屋から出られないのでは退屈だろうと、あっさりレイは敷地内での自由行動を許可してくれたが、それはひとりでここから脱走することは不可能だということを示唆していた。

ハァ。と小さくため息をついてふと夜空を見上げると綺麗な満月が煌々と眼下を照らしている。

(あれは……?)

今まで気が付かなかったが、視界の端に庭園のような敷地が見える。ミリアンは目がいい。遠目でも赤や黄色と色鮮やかな花が咲いているのが少し見えた。
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