国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
ここは三階。高さもあるというのに、レイが保護していた小さな緑竜がまたミリアンに会いに来た。森でさぞいいものを食べているのだろう、あいかわらずぽってりとした腹はまるまるとしている。初めて見た時よりもひとまわり大きくなった気もする。

ミリアンが窓を開けると緑竜はすぐさま桟にしがみつき、ばざばざと翼を数回羽ばたかせた。そして何かを威嚇するように、険しい顔で外に向かってまたギャーとひと鳴きした。

「あれは……」

見ると、上空に鷹が旋回しながら飛んでいた。何度も同じところを回ってこちらの様子を窺っているようにも見える。

(イアン……?)

イアンはジェイスが飼いならしている鷹だ。その大振りの身体は遠目でも姿をはっきりと確認できる。ゆっくりと再び近づいてくるイアンに目をこらすと、足に何かをつけているのが目に入った。緑竜はイアンが近づいてくると身をこわばらせて今にも炎を吹きそうなくらいに威嚇している。

「大丈夫よ。あの鷹はイアンっていって、私の友達の鷹なの」

そう説明するもイアンよりも短い翼をばさばさして落ち着かない。イアンはこの緑竜がいるせいで近づけないのだろう。
< 203 / 295 >

この作品をシェア

pagetop