国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「仕方のない子ね」

そう言ってミリアンが緑竜を二の腕に抱く。すると、イアンが放たれた矢のごとく窓の桟めがけて急降下してきた。
近くで見ると大きな鷹だ。緑竜の子よりも倍は大きい。怖がるのも無理はない。すると、腕の中で身じろぎしながらグルグル喉を鳴らして緑竜が大きく息を吸い込んだ。

「だめ! 火を吹いたらもう歌を唄ってあげないわよ」

すると、緑竜の子は息を止めたまま固まり、すぐさましゅんと力を落としておとなしくなった。

「いい子ね」

そっと頭を撫で、イアンの足に巻き付いていた紙のようなものを取ると、用は済んだとばかりにイアンはすぐさま飛び立ってしまった。
< 204 / 295 >

この作品をシェア

pagetop