国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「近いうちにその機会がやってくるはずだ。来月、ガンダール王国で建国記念日の祝賀パーティがあるんだ。レイも招待されている。もちろん僕もね」
「え?」
その話を聞いてミリアンが顔をあげる。すると穏やかな表情をしたジェイスが彼女を優しく見降ろした。
「おそらく、君を片時も離したくない過保護なラタニア国王様は君も一緒に連れて行くはずだ。ガンタール王国はここから三日はかかるからね。パーティに紛れてしまえば、この実をレイに飲ませることなんて簡単だよ。それに他国からも大勢の招待客が来ている。それこそ君のようにレイを恨んで暗殺を計画しているやつらもね。だから、うまくやれば誰も君がやったなんてわからない」
ジェイスが淡々と言葉を並べると同時に、彼から香ってくる匂いが強くなった気がした。
「ミリアン。僕の目を見て」
そう言われて徐にジェイスの濃茶の瞳と視線が絡む。そこには夢うつつのような顔をした自分の姿が映っている。まるで怖気づくなと言われているようで、胸いっぱいに香の香りを吸い込むと不思議と気分がよくなった。
「え?」
その話を聞いてミリアンが顔をあげる。すると穏やかな表情をしたジェイスが彼女を優しく見降ろした。
「おそらく、君を片時も離したくない過保護なラタニア国王様は君も一緒に連れて行くはずだ。ガンタール王国はここから三日はかかるからね。パーティに紛れてしまえば、この実をレイに飲ませることなんて簡単だよ。それに他国からも大勢の招待客が来ている。それこそ君のようにレイを恨んで暗殺を計画しているやつらもね。だから、うまくやれば誰も君がやったなんてわからない」
ジェイスが淡々と言葉を並べると同時に、彼から香ってくる匂いが強くなった気がした。
「ミリアン。僕の目を見て」
そう言われて徐にジェイスの濃茶の瞳と視線が絡む。そこには夢うつつのような顔をした自分の姿が映っている。まるで怖気づくなと言われているようで、胸いっぱいに香の香りを吸い込むと不思議と気分がよくなった。