国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
ミリアンは奏でられる軽快なダンスの音楽と、楽しげに笑いながら談笑する声を聞きながら、部屋でひとりレイが迎えに来るのを待っていた。

今夜は満月だ。煌々とした月の光りが部屋の中まで照らし出している。

綺麗に髪も身なりも整え、いつもと違う自分の姿を見たらレイは何と言うだろうか、と目の前に置かれた銀の水差しをぼうっと眺めながら考えていた。

この水差しの水には粉末状にしたジェイスからの実が混ざっている。彼がここへ来たら、なにか理由をつけてこの水を飲ませるように促すつもりだった。ドクンドクンと心臓が大きく跳ねる度に、胸元のロザリオが震えていた。全ては自分の身を守るため。母の仇のため、正しいことをしているのだ。と言い聞かせる。と、その時。
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