国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「ミリアン殿がレイ様の前に現れることがなければ、その手紙は永遠に開封されることはなかったでしょうな。だが、その手紙はティアゴ様がサーナ様への想いをしたためたもの、二人に渡すべきだと思ってその機会を待っておったが……」

ラウラスは短く息を吸い込んで、続けて口を開いた。

「わしは、ソルマンテ王国お抱えの薬師であり、サーナ様の侍従だったのだ。サーナ様にはすでに父である国王に決められた婚約者がいた。その時のわしには、手紙をサーナ様にお渡しすることができなかった……」

まさか、こんな身近にソルマンテ王国の民だった者がいたことに、レイもミリアンも驚きを隠せなかった。よくよく考えてみれば、希少なカウラの花をあんなにも手際よく薬に変えていたのも、今考えれば納得がいった。
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