国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「あ、あの……」
「言いたいことがあるならば、国王陛下の御前に出られよ」
「こ、国王陛下!?」
ミリアンは驚いて絶句している間も、その男は眉ひとつ動かさず冷たい表情を浮かべていた。
ここではまったく取り合うつもりはないらしい。しかし、ミリアンも納得しないまま連行などされたくなかった。
「ちょっと待ってください! 一体なんだって言うんですか?」
咄嗟に大きな声を出してしまい子どもたちが起きてしまうのではないかと、ミリアンは慌てて口を抑えた。
「国王陛下のご用命だ。つべこべ言わず来い!」
「い、いや! 離して!」
握り潰さんばかりの大きな無骨な手がミリアンの腕を掴むと、そのまま引きずられるように外に出される。そして両手を後ろに組まされたかと思うと、ぐるぐると頑丈な縄を巻きつけられた。
「いッ……痛い!」
ほんの少しでも身じろぎすると、手首が擦れて血が滲みそうだった。
(国王陛下に対する反逆って……?)
頭の中が消化不良のまま、ミリアンは突然現れた男たちによって連れ去られてしまった。
ラタニア国王陛下、レイ・ヴァリエ・リシャールのもとへ――。
「言いたいことがあるならば、国王陛下の御前に出られよ」
「こ、国王陛下!?」
ミリアンは驚いて絶句している間も、その男は眉ひとつ動かさず冷たい表情を浮かべていた。
ここではまったく取り合うつもりはないらしい。しかし、ミリアンも納得しないまま連行などされたくなかった。
「ちょっと待ってください! 一体なんだって言うんですか?」
咄嗟に大きな声を出してしまい子どもたちが起きてしまうのではないかと、ミリアンは慌てて口を抑えた。
「国王陛下のご用命だ。つべこべ言わず来い!」
「い、いや! 離して!」
握り潰さんばかりの大きな無骨な手がミリアンの腕を掴むと、そのまま引きずられるように外に出される。そして両手を後ろに組まされたかと思うと、ぐるぐると頑丈な縄を巻きつけられた。
「いッ……痛い!」
ほんの少しでも身じろぎすると、手首が擦れて血が滲みそうだった。
(国王陛下に対する反逆って……?)
頭の中が消化不良のまま、ミリアンは突然現れた男たちによって連れ去られてしまった。
ラタニア国王陛下、レイ・ヴァリエ・リシャールのもとへ――。