国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
夜も更け渡る丑三つ時。
「ちょっと、あれ、ピレネ食堂のミリアンじゃない?」
「なんで、ラタニアの兵に捕まってるんだ?」
「きっと、なにかやらかしたに違いないよ」
ミリアンは有無を言わせず拘束されたまま王都の中心街を歩かされ、通りを行き交う人々からは罪人を見るような侮蔑の視線を感じた。
ピレネ食堂で働く稀有な髪色の美しい娘、と評判のミリアンはちょっと名の知れた存在だった。見る人が見ればミリアンだとすぐにわかる。
(違う、私は罪人なんかじゃない)
ひそひそと聞こえてくる話し声に心の中で「違う、違う」となんども呟いた。
ミリアンに罪状を突きつけた男は、セルゲイと名乗った。ラタニア王国の兵を束ねる騎士団長で毅然として凛々しい顔立ちをしていた。しかし、わけもわからず捕まってミリアンにとっては警戒すべき人物だった。
「ちょっと、あれ、ピレネ食堂のミリアンじゃない?」
「なんで、ラタニアの兵に捕まってるんだ?」
「きっと、なにかやらかしたに違いないよ」
ミリアンは有無を言わせず拘束されたまま王都の中心街を歩かされ、通りを行き交う人々からは罪人を見るような侮蔑の視線を感じた。
ピレネ食堂で働く稀有な髪色の美しい娘、と評判のミリアンはちょっと名の知れた存在だった。見る人が見ればミリアンだとすぐにわかる。
(違う、私は罪人なんかじゃない)
ひそひそと聞こえてくる話し声に心の中で「違う、違う」となんども呟いた。
ミリアンに罪状を突きつけた男は、セルゲイと名乗った。ラタニア王国の兵を束ねる騎士団長で毅然として凛々しい顔立ちをしていた。しかし、わけもわからず捕まってミリアンにとっては警戒すべき人物だった。