国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
とあることを思いついたミリアンは、数回深呼吸するととある歌を口ずさみ始めた。
誰に聴かせるわけでもなく、小さい声で詩を紡ぐ。それは、母とミリアンだけしか知らない幸せになれる歌だった。久しぶりにこの歌を口にした。幸せになれる歌のはずだったが、歌詞は別れゆく男女を歌ったものだ。
この歌を母から教えてもらった時はどうしても悲しくて好きになれなかったが、その美しい旋律にきっとこの歌詞には意味があるのだと思った。しかし、いまだにその意味はわからない。
この歌を唄おうとした時、あの惨劇が起こった。しばらくこの幸せになれる歌を封印していたが、やはり母との唯一のつながりの歌だと思うと、心の中でいつも唄っていた。歌詞は短いが川の流れのようなゆっくりとした歌を唄い終わる。そしてまた静寂の時が訪れた。
歌のおかげで幾分気持ちは落ち着いた。しかし、変わらない現状にミリアンがため息をつこうとした時だった。
「その歌は?」
誰に聴かせるわけでもなく、小さい声で詩を紡ぐ。それは、母とミリアンだけしか知らない幸せになれる歌だった。久しぶりにこの歌を口にした。幸せになれる歌のはずだったが、歌詞は別れゆく男女を歌ったものだ。
この歌を母から教えてもらった時はどうしても悲しくて好きになれなかったが、その美しい旋律にきっとこの歌詞には意味があるのだと思った。しかし、いまだにその意味はわからない。
この歌を唄おうとした時、あの惨劇が起こった。しばらくこの幸せになれる歌を封印していたが、やはり母との唯一のつながりの歌だと思うと、心の中でいつも唄っていた。歌詞は短いが川の流れのようなゆっくりとした歌を唄い終わる。そしてまた静寂の時が訪れた。
歌のおかげで幾分気持ちは落ち着いた。しかし、変わらない現状にミリアンがため息をつこうとした時だった。
「その歌は?」