極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
「言っておくが、俺もかなり酔っているんだ。なにがあってもしらないぞ」

ついさっき、私のことなんて襲わないって言ったくせに。どうして今さらそんな脅し文句を言うのだろう。

ただじっと瞳を見つめ返したら、彼は調子を狂わされたように「ちっ」と舌打ちして、目を逸らした。

「……お前の無防備さに腹が立つよ。やらせるつもりのない男を、二度と家に入れるんじゃない」

立ち上がろうとした彼を、今度は咄嗟にネクタイを引っ張って引きとめた。彼は「うわっ」と呻く。

「なんなんだよお前は! どうしてほしいんだ」

どうしてほしいかと言われても……。自分でもなぜこんなことをしているのかわからない。

ただ、この手を放してしまったら、もう二度と彼に会えなくなるような気がして。それだけは嫌だと思った。

ネクタイを握りしめ硬直していると、彼の手が私の手に伸びてきて、包み込むようにきゅっと掴んだ。

ネクタイから引き剥がされたと思ったら、ベッドへと圧しつけられて、彼の長い指が、私の指の間に絡まるように滑り込んできた。
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