極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
「んぅっ……」


驚いて目を見開いた。まさか、彼からキスをされるだなんて、考えたこともなかったから。

湿った彼の唇が、食むように絡まって、右の端から左の端へ形をなぞり上げていく。

まるでその味を確かめるように舐めとられて、あっという間に恍惚の底へ落とされた。

優しくて、艶っぽい。こんな表情みたことない。目の前の彼は、まるで別人のようだ。こんな彼、知らない。

これは夢?

もしかしたら酔っぱらいすぎて、幻覚を見ているのかもしれない。

けれど唇の感触だけは鮮明で、胸の内側から快感が呼び起こされるようだった。

キスって、こんなに気持ちのいいものだったっけ?

久しぶりだから? ううん、そうじゃない。彼のは、特別――。
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