極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
『単なる同僚』という言葉を聞いてホッとした。

じゃあ、親しかったのは昔付き合っていた名残なのだろうか。ちょっぴり嫉妬してしまうけれど――。

彼は助手席のドアを閉めると、反対側へ回り込んで運転席のドアを開ける。

「……なに不安そうな顔してんだ」

運転席に腰を下ろしながら、彼はクッと笑って、見透かしたように私の頬をツンとつつく。

「まだ俺が玲奈と付き合っているとでも思ったのか?」

「……だって、すごく親しそうにしてたので……イベントのときも」

「お前、やっぱりあの時、見てたんだな」

ドキリとして目を逸らす。陰からふたりの様子をうかがっていたなんて知れたら、笑われてしまう、そう思っていたけれど……。

「……悪い。不安にさせたな」

彼は瞳を曇らせて、申し訳なさそうにあやまった。
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