極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
「俺がまだ新人だった頃、半年程度、彼女と付き合っている時期があった。だが、よくよく聞いてみると、彼女と逢沢が付き合っていた時期が被っていてな。どうやら俺が逢沢から彼女を奪ってしまっていたらしい。当人とは合意の上で別れたんだが、逢沢は恋人を奪われた挙句、玲奈が俺のせいで傷ついたのだと、ずっと恨んでいるみたいだ」
それで逢沢さんはあんなにも、神崎さんを目の敵にしていたのか。
『もっと幸せにしてやれる』――私に向けたあの言葉は、もしかしたら、水上さんへの想いを表していたのかもしれない。
自分だったら、もっと幸せにしてやれたかもしれないのに、と。
神崎さんは玄関を出ると、エレベータへ乗り込み一階へ向かった。
マンションの前の、街路樹の脇に停めていた車の助手席に私を押し込む。
「玲奈とは、とっくに別れて、今は単なる同僚だ。彼女の転職先が、たまたまうちの会社で、彼女は今は経営企画室で働いているから、やり取りすることも稀にある」
それで逢沢さんはあんなにも、神崎さんを目の敵にしていたのか。
『もっと幸せにしてやれる』――私に向けたあの言葉は、もしかしたら、水上さんへの想いを表していたのかもしれない。
自分だったら、もっと幸せにしてやれたかもしれないのに、と。
神崎さんは玄関を出ると、エレベータへ乗り込み一階へ向かった。
マンションの前の、街路樹の脇に停めていた車の助手席に私を押し込む。
「玲奈とは、とっくに別れて、今は単なる同僚だ。彼女の転職先が、たまたまうちの会社で、彼女は今は経営企画室で働いているから、やり取りすることも稀にある」