はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
リビングのソファに並んで座り、夕飯とケーキを食べ終えた。



「パパ、これ…クリスマスプレゼント。」



私は、デパートで買ったハンカチを渡す。



「私が頂いても、よろしいのですか?」



「だって、他に誰にあげるのよ?」



クリスマスカードを指さしながら、私は言った。



「お父様がいらっしゃるでしょう?」



「私の“パパ”は、1人だけだよ…。」



私が言うと、坂下は嬉しそうにハンカチを受け取ってくれた。



「ワカへのプレゼントを用意していなくて、申し訳ありません。」



普通、そうだろう。



「元はといえば、私が押しかけてきたからだし…。」



「私に今できる範囲の望みがあれば、おっしゃってください。」



「じゃあ…しばらくの間、抱きしめてくれる?」



その言葉を聞いた坂下が、目を丸くした。



「むっ…娘としてだからっ!」



私が慌てて付け加えると、坂下は腕を広げた。



「いらっしゃい、ワカ。」



そう言ってくれたから、坂下の胸の中に思いっきり飛び込んだ。



『好き』なんて口が裂けても言えないし、言っちゃダメなのも分かってる。



だから、私は…。



「パパ。」



って呟いて、腕の中で思いっきり甘える。



「ワカは、甘えん坊さんですね。」



坂下は抱きしめたまま、私の頭を撫でてくれた。





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