はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
翌朝目覚めると、まるで昨日のことが夢だったように感じる。



そう思うくらい、私にとって幸せなひとときだった。



数分間抱きしめてくれた後、坂下はすぐに車で送ってくれた。



ホントは、もっと坂下の家でゆっくりしたかった…。



まぁ、坂下にだって都合あるんだから、あんまりワガママは言えない。



障子を開けると、ちょうど父が朝帰りをしてるのに出くわした。



朝から嫌なもの見ちゃったなぁ…なんて思っていたら、父がプレゼントの箱を抱えながらしきりに頭を捻っていた。



私はカーディガンを羽織ると、ちょっと寒いけど庭に出た。



「それ、何?」



「あぁ…、おはよう。

このプレゼント、若菜ちゃん宛てだけど心当たりあるかい?」



人の胴体くらい大きな箱には、クリスマスカードが添えられていた。



「送り主にふざけた名前付けてるから、怪しいと思うけど…。」



差出人は…『Santa Claus』。



だけど、坂下の字だってすぐ分かる。



「これ、間違いなく私のだよ。」



私は父から箱を受け取ると、うきうきしながら部屋に戻った。



私を送った後、閉店間際の店へと駆け込んだに違いない。



大きな箱の中身は、大きなウサギのぬいぐるみ。



メッセージカードの中に書いてあった言葉は…。



『甘えん坊さんのワカへ

いつでも添い寝できるように、枕元に置いてください。』



「また、小さい子供扱いして…。」



すごく、複雑な心境だった。











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