はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
昨日は、3月も半ばだというのに寒かった。



学校に行くときは言われてるとおり裏から出てる私は、家に近い道路でお兄ちゃんに会った。



お互いに話すこともないので、黙って学校に向かおうとした時だった。



「若菜、寒くないか?」



珍しく、お兄ちゃんが呼び止めたんだ。



「だから、急いで学校行きたいんだけど?」



「これを巻くといい。」



お兄ちゃんはそう言うと、お気に入りのマフラーを外して、私の首に巻いてくれた。



その後、お兄ちゃんは急いでいるからって、早足で行っちゃったんだよね。



お礼、言いそびれちゃったな…。



昨日のことを思い出しながら歩いていると、ジイサンが声をかけた。



「若菜。

大雅がいなくなった今、この者と桐生の家を継いでもらう。」



この者ってのは、書生。



それって、まさか…。



結婚!?










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