はつ恋【教師←生徒の恋バナ】

・若菜サイド

「で、ドコ行きたい?」



「別に…、山の中に置き去りにしてくれても良いし。」



行きたいトコなんて無い、とにかく坂下のことさえも忘れて逃げたいだけ…。



「じゃあ、簀巻きにして海に放り込むか。」



車を走らせながら、男は言った。



車酔いやすい私は、目を閉じる。



暫くして、



「着いたけど。」



って声がしたので目を開けると、繁華街の駐車場だった。



「海行くんじゃなかった?」



「んな、ベタなとこに連れてくかよ…。」



降りるよう促され、1本裏の怪しい道を一緒に歩くと、ボロいビルに辿り着いた。



誰も近づかないようなビルだから、クスリでも売っているんだろうかと勘ぐりたくなる。



ホントにクスリ売ってたら、今の私なら速攻買ってもいいけど。



地下のドアを開けると、薄暗いものの、意外に内装は悪くなかった。



「ここ、オレの溜まり場。

昼はご覧のとおり閑古鳥が鳴く喫茶だけど、夜になると酒も出す。」



「ウチには、未成年に出す酒は置いてない。」



カウンターから声がしたので振り向くと、ヒゲのオジサンがいた。



「マスター、何か適当に出してよ。」



マスターと呼ばれたオジサンは、バナナや牛乳を放り込むとミキサーにかけ始めた。











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