はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
「…で、実のところは?」



「お兄ちゃんみたいな方法は取りたくないけど、楽になりたかった…。」



「馬鹿、楽になれるわけ無いだろ…。」



蒼が、私の頭を軽く小突きながら言った。



しばらく大通りで待っても、タクシーが捕まらない。



「何で、止まらないんだ?」



蒼が困ったように、髪をかき上げる。



「鬼マサが竹刀持ってるから?」



そうかも?…なんて、空気が流れた。



「桐生、預かってて。」



蒼が私に竹刀を差し出す。



っつーか、何でこんな物を持ち歩いてたんだろう?



受け取ろうとした時



「柾樹様!」



って声が、聞こえた。



顔を強ばらせた蒼が、声の方を向く。



「喬木(タカギ)さん…。」



そう呟いた蒼は、私に渡そうとした竹刀を構えた。










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