はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
「鬼マサ、私が家出したいって言ったら…相談乗ってくれる?」



「桐生には、他に跡取りとなり得る人間がいないんだろう?

話し合いで解決できるなら、その方が良い。」



「話すだけ無駄…。」



「僕も、そう思って家を出た。

僕の場合は義弟がいるけど、見つかったら連れ戻されるんじゃないかって怯えながら暮らしてるのが現状で…僕みたいな思いを、桐生にはして欲しくない。」



これは多分、蒼の本音。



しかも、蒼が表に出したくないと思っている類のものに違いない。



私は、話題を変えることにした。



「何で、竹刀なんて持ち歩いてたの?」



「坂下先生が前置きも無く僕を連れ出すときは、厄介な問題抱えてる時って相場が決まってるから。」



じゃあ、あの喫茶店に私が入り浸っているのを、坂下は知っていたんだろうか?



「ついて行ったら、学校始まって以来の才媛が麻薬に手を出そうとしてたんだから…驚いたなんてもんじゃないよ。」



「それ見て打とうとしてたのに、何でヤメたの?」



「できるワケ無いだろ。

警告無視して坂下先生の領域に手出したら、後でどんな仕返しされるか…。」



別に私は、坂下のモノなんかじゃない。












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