はつ恋【教師←生徒の恋バナ】

・若菜サイド

指導室から戻ると、教室の前に深夏がいた。



「ワカ、どこ行ってたの?」



「あ、呼び出し喰らって…。」



「なんでー?」



坂下が言ってた『口外するな』っていうのは、深夏にも当てはまるのかな?



私が返答に困っていると



「もうすぐ期末考査あるから、担任に叱咤激励された…ってとこかな?」



って深夏が言うから、苦笑するしかなかった。



担任の呼び出しだったら、バックレるし。



「ミカは、私に用があるんじゃないの?」



「あ、うん。

最近、一緒に過ごすことなかったから、ランチに誘おうと思って。」



私が坂下のお弁当食べてる間、ずっと待ってたの!?



「でも、もう授業始まっちゃうから…。

また今度、一緒に食べようね。」



深夏は淋しそうに笑うと、自分のクラスに戻ろうとした。



「待って!」



私の声が大きかったからか、ビックリしたような顔で深夏が振り向く。



「ミカ、今からご飯食べよ?

私は食欲ないから、飲み物だけだけど…。」



教室には、家から持ってきたお弁当があるけど、さすがに手をつける気にはなれない。



「でも…。」



迷ってる深夏の手を引くと、まずは自販機に向かった。








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