はつ恋【教師←生徒の恋バナ】

・若菜サイド

文化祭の後片付けがある翠子を残し、野田先輩と2人で聖女を出た。



「もうすぐ、ウチも文化祭だな。」



「その前に、憂鬱な体育祭あるけどね…。」



「はははっ…、桐生は自分ができる分だけ頑張れば良いって。」



体育祭はチーム別対抗、野田先輩と同じチームなことだけが救いだ。



野田先輩のクラスの人達は、みんな励ましてくれるし。



「なぁ桐生、文化祭の展示作品まだ出してないんだって?

部長がぼやいてた。」



そりゃあ…出せるものなら、サッサと出してる。



だけど、私が作品を仕上げようとすると、3年に妨害される。



部室はもとより、教室で仕上げようしても、それは変わらなかった。



一昨日なんか、夜中にこっそり家で書いた作品を持って行く途中で引き裂かれた。



「坂下に相談するか?」



何で、坂下…?



「書道部の3年どもが嫌がらせしてることくらい、分かりきってる。

何とかしてやりたいけど、俺は幽霊部員だしな…。」



「先輩、気付いてたんだ?

だけど、言わなくて良いよ。」



あの噂がやっと消えたというのに、坂下を巻き込みたくない。



「3年が嫌がらせをしたいなら、やらせておけばいいよ。

私が、作品を出さなきゃ済む話だし。」



「出さないわけにいかないだろ?

何とかして、作品仕上げないとな…。」



野田先輩はそう言うと、何やら考えこんでいた。









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