はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
先輩たちが話し合ってる間で、作品を仕上げられた。



「桐生は、どう思う?」



突然、野田先輩が声をかける。



シンプルに赤組にするか、幾つか挙がってる凝った名前にするか…で、意見が分かれてるからだ。



私に意見を求めるか?と思いつつ、チームカラーの赤色…といっても炎の色に近いそれを眺めて考える。



声に出して応援するなら、赤組が良いと思うけど…。



「“赤”を、当て字にしてみる?」



私はそう言うと、半紙に筆を滑らせた。



書いた字を見た先輩たちは、満場一致で『朱火(アカ)組』にすることに決めた。



「桐生ちゃん、ナイス!」



先輩の1人が、頭を撫でてくれた。



坂下の手みたいに優しくは無いけど、温かかった。



「エライ、エライ。」



髪がグシャグシャになる程だけど、心地良くて…。



されるがままに、していた。



「桐生、頭を守れ!」



野田先輩が、珍しく鋭い声を出した。



何で、頭…?



「ってか、澤弥(タクヤ)!

いい加減離してやれよ、この変態!!」



聞けば、澤弥先輩は髪フェチで、さっきも私の髪に触れて恍惚としていたんだとか…。



「取って喰いはしないって、言ってたのに…。」



ここに来て、最初にそう言ったのは澤弥先輩だった。



「頭撫でても嫌がらなかったの、桐生ちゃんが初めてだったのに…。」



澤弥先輩が、悲しそうに言うから



「節度を保って撫でる分には、構わないし。」



なんて、口走ってた。









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