はつ恋【教師←生徒の恋バナ】

・若菜サイド

「最近は寄り付かないから、いい傾向だと思っていたのにな…。」



目の前に、バナナミルクを置いたマスターが呟く。



「文化祭まで、部活が忙しかったの。

また、ちょくちょく顔見せに来るし。」



「平日の昼間に、ちょくちょく来なくていい。」



「だって、夜来るの禁止だったら、昼に行くしかないじゃん。」



「仕方ないだろ?この辺は悪い誘惑が多くて、若菜ちゃんみたいな子供が引っ掛かり易いし…。

ってか今、授業中だろ?」



「そう、担任の授業だから出ないことにしてるの。」



私のセリフに、マスターがため息をついた。



「顧問の次は担任…、よく揉め事起こすなぁ。」



「喧嘩売ってきたのは、向こう!

大体、坂下がしゃしゃり出てこなければ、奴を担任から外せたのに…。」



まぁ、坂下を不問に処すってことを頼んだのは私だし、口ではこんなこと言っても、助けに来てくれて嬉しかった。



「はいはい、留年さえしなきゃ良いさ。」



留年するような成績、取らないし…。



喫茶店でまったりしてると、珍しく客が入ってきた。



「いらっしゃいませ。」



マスターが声をかけた方を向くと、そこにいたのは…。



坂下だった。







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