はつ恋【教師←生徒の恋バナ】

・若菜サイド

世の大学受験生たちがセンター試験を受けている頃、私は新しくできたショッピングモールに足を運んだ。



3年になったらどんなに嫌でも勉強するんだし、今は思いっきり遊ぶ。



別に買いたいものがあるわけでもなく、どんなものか見てみたかっただけ。



どんなお店があるのか見たし、人ごみの中に長時間いるのも疲れるし、帰ろうかと思った時だった。



目の端に、キラリと光るものを捉えた。



光の元を探すと、女の人が空に向けて翳した左手の指輪。



よく見ると、アンジェ先輩だ。



こんな日にココにいるってことは、大学受験組じゃないってことかな?



しかも、彼氏とデートか?



アンジェ先輩の右手に繋がれてる先を、目で追うと…。



私は、自分の目を疑った。



メガネを外し、髪は洗いざらしにしたまま整えてないけど、間違いない。



そこにいたのは、坂下だった。



噂じゃ入院してて、学校に来てないのに。



ってか、アンジェ先輩と手を繋いで歩いてることの方が、受け入れ難い事実。



…何で?



…何でっ!



…何でなの!?



私は気付かれないように注意しながら、2人の後をついて行った。











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