はつ恋【教師←生徒の恋バナ】

・若菜サイド

昨日言われたとおり、放課後すぐに深夏のクラスに向かうと



「じゃあ、早速行こうか。」



深夏にそう言われてついて行った先は、写真部の部室。



新聞部には現像のための設備が無いから、写真部の暗室を借りたのだろう。



「なんたって、大スクープだもんね。

誰にも邪魔されないように、貸切にしたんだ。」



深夏が、部室に私を招き入れる。



私は、部室に入ると



「普通だったらデジカメで撮るのに、珍しいよね…。」



私たちの間に漂う何とも言えない雰囲気が嫌で、どうでもいいようなことを口にした。



「デジカメでも撮ったよ。

それなりに、良く撮れたと思う。

私は暗室で作業するから、しばらくはコレでも見てて。」



深夏は私に封筒を渡すと、1人で暗室に入っていった。



中身を取り出すと、昨日の…あの2人が写っていた。



デジカメって手軽な分、あまり写りが良くないって思い込んでいたけど…。



意外と良く撮れるものなんだと、少し驚いた。



写真の束を出し、手にとって1枚ずつ目を通す。



見終わったものは、そばの机の上に置いた。



ズームアップで撮ったのか、舌を絡め合ってキスしてるところもプリントアウトされている。



今にも、嫉妬で狂いそう。



娘としてとはいえ、私を『愛してる』って言ってくれた坂下が…。



アンジェ先輩にも、同じ言葉を口にしたなんて…悔しくって堪らない。



いつの間にか、手にした写真が最後の1枚になった。









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