はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
最後の1枚は、2人が見つめ合ってる写真。



コレを見た瞬間、今までとは違う気持ちになった。



目を背けたいくらいイチャイチャしてたくせに、この写真の2人は穏やかに微笑んでいる。



けれど、別れが近いことを悟っているのか、どこか悲しそうな雰囲気が漂っていた。



私があの場から立ち去った後、深夏が撮ったのだろう。



認めるのは、ホントに悔しいんだけど…。



アンジェ先輩も坂下も、ホントに相手のこと想っているんだ…って分かる。



もしかしたら…坂下が辛かった時期に支えてきたのは、アンジェ先輩だったのかもしれない。



私は、何も出来なかったくせに…。



ううん、『何もしなかったくせに』だ。



それなのに…2人を、壊そうとしているんだ。



「私って、サイテー…。」



自分の、ドロドロした黒い気持ちが嫌になる。



私はため息をつくと、机に突っ伏した。



今なら、まだ深夏しか知らない。



深夏に頼めば、坂下たちを記事にするの止められる…かな?



私は、暗室にいる深夏に声をかけた。



「ミカ、入って良い?」



中から



「いいよー。」



って聞こえたから、暗室に足を踏み入れた。



中に入って思ったことは、現像してたんじゃなかったの?ってことだ。



深夏は作業してる風でもなく、ただ椅子に座っていた。



「ミカ、現像は?」



「私、デジカメしか使えないし。」



じゃあ、何で写真部の部室借りてまで…。



「私を、ここへ連れてきたの?」



「そんなことよりも、私に話があるんじゃない?」



そう言われて、深夏に声をかけた目的を思い出した。



「ミカ、坂下のスクープを無かったことにできないかな…?」



私がそう言うと、深夏は私をジッと見つめた。









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