はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
空気が抜けてたことに気付いた時には、海に沈んでいく感覚がした。



ちょっと、勘弁してよ。



私、シャレにならないくらいカナヅチなんだけど!



必死になってもがいていると、坂下が私のそばまで来てくれた。



身体が沈んでいくのが怖くて、思いっきりしがみつく。



坂下が何か言ってた気がするけど、今の私の耳には入らない。



キャーキャー言いながら、しばらくの間しがみついてただろうか。



「ワカ、もう大丈夫ですよ。」



「大丈夫なワケないでしょ!?」



手を離したら、確実に沈むもん。



「もう、足がつくはずです。」



へっ?足…?



足を探るように動かすと、海の底についた。



…あ、ホントだ。










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